bbb_tomo2004-05-10


アメリカのパンク〜インディ・ジン「Punk Planet(以下PP)」が十周年記念号(写真は前号)。
インタビューは豪華。Ian Mackaye, Sleater-Kinney,Mike Watt, Jello Biafra,Neurosis,Descendents, Q and Not Uなどなど。でも、こうやって名前並ぶと、世代論的な統一感ってまるでないな〜、なんて思ったり。そういう時代なんだろうな。

MaxmunRock'n'Rollが大ボスのティム・ヨハナンのカリスマ性に頼ってたことは彼の死後の同誌の低迷振りを見れば明らかなのだけど、それとは対照的にPPが地道に勢力を伸ばした陰にはそういう、もともとからのカリスマの不在、匿名性があるようだ。PPが始まったそもそものきっかけは「Maxmum-に変わるジンをみんなで作んない?」ってウェブ上での呼びかけが元で始まったらしいし。初期はわりと「みんなでワイワイ」みたいな感じでコラムやインタビュー中心だったんだけど、10年もすると変わるもんですね。自分がPPを読み出したのは多分1996、7年くらいからだったと思うけど、その頃から表紙がカラーになったり、バーコードが付いたり、コラムニストがだんだん減ったりと変化をとげ、雑誌として洗練されて(と同時にいろいろ失って)きた気がします。

編集者のDaniel Sinkerはイントロでシカゴのローカル紙にインタビューされたときに、自分ひとりの写真を送れといわれたけど、自分ひとりでこの雑誌をやってきたわけじゃないから、自分だけの写真を載せなかった、ってちょっと美談にしちゃってるけど、そんなところに彼の影の薄さとみんなでやってる感がでてるのかな(最近はみんなでやってる感は薄いけど)。

少し驚いたのは、MAILのコーナーでの、前号に対する反応。前号がアンチ・ブッシュ色を前面に出した号だったのだけど、それに対して、「あなたの雑誌はは一線を越えたので、定期購読を取りやめてください」とのメールだった。どうも、政治的態度をはっきりさせたのが癪に障ったらしい。「これは音楽についてであるべきで、それが僕らがここにいる理由じゃないのか?」って。PPって前からチョムスキーにインタビューしたりとか、音楽紙にしては明らかに政治色濃厚な雑誌なはずなのに、何をいまさら?って。そんなことも知らずにこの人は定期購読してたのかな〜ってかなり個人的に???でした。